自動緊急操舵で衝突回避拡大日米欧の2025年に向けた安全基準が見えてきた。EuroNCAPは歩行者を含めた衝突回避の基準を段階的に高める。自動ブレーキに加えて、自動緊急操舵でもぶつからないクルマを評価していく。米国ではセンターエアバッグや後退時の自動ブレーキなどの装着が必要になる。

 欧州の自動車安全の評価機関であるEuroNCAPが2025年に向けた安全基準を示した。直近の評価項目としては自動ブレーキの対象拡大、2025年に向けては自動緊急操舵を含めた衝突回避領域の拡大である。

 2016年に始めた昼間の歩行者試験を、2018年からは夜間に広げる(図1、2)。さらに2018年からは、歩行者が歩く方向として、道路の横断だけでなく、道路を進行方向に進む場合も加える。また自転車(昼間)も対象にする(図3)。

図1 EuroNCAPが2018年に始める夜間歩行者に対する自動ブレーキ試験
図1 EuroNCAPが2018年に始める夜間歩行者に対する自動ブレーキ試験
月マークが夜間試験。歩行者のダミー(人形)をぶつける位置や車速、歩行者が歩く向きなどを変えて実施する。出典:EuroNCAP。
[画像のクリックで拡大表示]
図2 夜間の歩行者試験での街灯の配置
図2 夜間の歩行者試験での街灯の配置
25mおきに5本の街灯を配置する。街灯から車両までは4m。街灯の高さは5mである。出典:EuroNCAP
[画像のクリックで拡大表示]
図3 EuroNCAPが2018~20年に始める自転車への自動ブレーキ試験
図3 EuroNCAPが2018~20年に始める自転車への自動ブレーキ試験
車両や自転車の速度、障害物の有無、ぶつける位置などを変えて実施する。出典:EuroNCAP
[画像のクリックで拡大表示]