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日経ものづくり 2017年10月号

検査工程はどこまで減らせるか総論

検査をやめたければ良品条件を確立すべし

  • 高野 敦
  • 2017/10/02 00:00
  • 1/4ページ

出典:日経ものづくり、2017年10月号、pp.44-47(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 「検査工程が増えすぎて困っている。どうすれば減らせるだろうか」─。製造業向けのコンサルティングやエンジニアリングを手掛けるエイムネクスト(本社東京)には、最近こんな相談が頻繁に寄せられるという。品質の“味方”であるはずの検査工程が、ものづくりの現場で悩みの種になっているのだ。

センサー活用で加工後の検査を廃止

 検査工程が増えると、なぜ困るのか。それは、究極的には検査工程が“ムダ”な工程だからである。「生産ラインで価値を生み出しているのは、加工や組み立てなどの製造工程であって、検査工程ではない」(エイムネクスト代表取締役社長の清威人氏)。もちろん、検査工程は品質の確認という大切な役割を担っているが、なくても済むのであればそれに越したことはない。逆に増えれば、その分だけコストが掛かる。

 さらに、生産ラインの流れを乱すという意味でも、検査工程は厄介である。検査の種類によっては周辺の製造工程とタクトタイムを合わせるのが困難で、検査工程の前後に在庫が滞留しやすい。例えば、将来の労働力不足を見据えて多くの企業が推進している生産ラインの自動化でも、検査工程は大きく影響してくるだろう。検査工程を残したまま生産ラインを自動化するのは、単純に難度が高いし、投資も過大になりやすい。ひとたび自動化したら、後から検査工程だけ削減するのは難しい。

 先進的な企業はもう動いている。例えば、工作機械による加工工程に「着座センサー」と呼ばれるセンサーを使い、加工後の検査を不要にする取り組みだ。着座センサーは圧縮空気によって微小な隙間の寸法を計測するもので、ワークが冶具に正しくセットされているかどうかを検出できる。ワークと冶具の間に切りくずなどが入り込み、ワークが浮き上がった状態で加工すると、不良品が発生しやすい。着座センサーを使うとこのような不良品の発生を防げるので、加工後の検査をやめられると判断した企業が次々と導入しているのだ(参照)。

 この着座センサーを手掛けるメトロール(本社東京都立川市)代表取締役の松橋卓司氏によれば、工作機械のユーザーには検査工程のない「ストレートな生産ライン」を実現したいというニーズがあるという(図1)。その理由は、前述の通り将来的な生産ラインの自動化を見据えているからだ。既にデンソーなどがメトロールの着座センサーを使って、加工後の検査工程をやめることに成功している。

図1 検査工程のない(少ない)生産ラインへのニーズ
加工工程間の検査工程をやめる、あるいは減らすことができれば、生産性が高まり、自動化も進めやすくなる。
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