造ったものが良品であることを確認するための検査工程。その検査工程が製造業の現場を密かにむしばんでいるといったら驚くだろうか。ものづくりの複雑化によって品質を確保するのが難しくなったことで、検査工程は増え続けるばかりだ。しかも、いったん増えた検査工程はなかなか減らせず、重石となって競争力を徐々に低下させている。本来、価値を生み出していない検査工程は少ないに越したことはない。そこで浮上してきているのが、造ったものを検査するのではなく、造っているプロセスに基づいて良否を判定するというアプローチである。それを実現するには、良品を造るためのプロセスの確立、すなわち「良品条件」の作り込みに挑まなければならない。
特集
検査工程はどこまで減らせるか
目次
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検査をやめたければ良品条件を確立すべし
「検査工程が増えすぎて困っている。どうすれば減らせるだろうか」─。製造業向けのコンサルティングやエンジニアリングを手掛けるエイムネクスト(本社東京)には、最近こんな相談が頻繁に寄せられるという。品質の“味方”であるはずの検査工程が、ものづくりの現場で悩みの種になっているのだ。日経ものづくり
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自動車向けのダイカスト成形で全数の内部検査を不要に
アーレスティ
品質不良の巣(空洞)が発生しやすいダイカスト成形の自動車部品で、全数検査をやめて、実際の製造条件で良否を判定する─。そんな“離れ業”を実現したのは、アルミニウム合金ダイカスト成形を主力事業とするアーレスティである。日経ものづくり
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品質を左右する微小な隙間、狙い通りの寸法を一発で出す
富士ゼロックス
グループを挙げて工場のスマート化を推進している富士ゼロックス。その生産子会社である富士ゼロックスマニュファクチュアリングの鈴鹿事業所(三重県鈴鹿市)では、「定着器」と呼ばれるユニットの組立ラインで、一部の検査工程や再調整工程を不要にしようとしている。日経ものづくり
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ワークの「浮き上がり」を検知し、加工の失敗を未然に防ぐ
メトロール
今、デンソーをはじめとするトヨタ自動車系列の企業が相次いで導入しているセンサーがある。それは、メトロール(本社東京都立川市)の「着座センサー」だ。日経ものづくり
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検査工程の削減に7割以上が意欲、課題は不良品発生メカニズムの把握
調査テーマ「検査工程の削減」
日経ものづくり