造ったものが良品であることを確認するための検査工程。その検査工程が製造業の現場を密かにむしばんでいるといったら驚くだろうか。ものづくりの複雑化によって品質を確保するのが難しくなったことで、検査工程は増え続けるばかりだ。しかも、いったん増えた検査工程はなかなか減らせず、重石となって競争力を徐々に低下させている。本来、価値を生み出していない検査工程は少ないに越したことはない。そこで浮上してきているのが、造ったものを検査するのではなく、造っているプロセスに基づいて良否を判定するというアプローチである。それを実現するには、良品を造るためのプロセスの確立、すなわち「良品条件」の作り込みに挑まなければならない。

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