やはり、Bosch社やZF社とは別の陣営に入った。ドイツBMW社と米Intel社が中心となって自動運転プラットフォームの開発を進める連合への参画を、2017年6月20日に正式発表した。他のメガサプライヤーは米NVIDIA社と組む。Continental社が態度を明確にしたことで、競争は激しさを増しそうだ。

「(連合内で)当社が担うのはシステムを統合する役割だ。連合入りを決めたことで、安全で低価格なプラットフォームを、より早く提供できるようになる」。Continental社Chairman of the Executive BoardのElmar Degenhart氏は意気込む(図1)。

図1 Continental社Chairman of the Executive BoardのElmar Degenhart氏
図1 Continental社Chairman of the Executive BoardのElmar Degenhart氏
2017年6月下旬にドイツ・ハノーバーで会見し、BMW社とIntel社が中心となって自動運転車の開発を進める連合への参画を表明した。

 同社で自動運転開発を統括するFrank Jourdan氏(Member of the Executive Board, Head of the Chassis & Safety division)によると、この連合には、「システムインテグレーターとして参加しており、既にシステムの統合についてBMW社と議論を進めている」という。

技術者の半数がソフトウエア担当に

 自動運転時代のシステムサプライヤーになる―。Continental社の決意は、積極的に進めてきたM&A(買収・合併)に支えられる。社員数はこの9年で7万人も増えた。多くが、買収した企業からの受け入れだ。特に目立つのがソフトウエア技術者で、今では全技術者の約半数を占める。2015年にはフィンランドのソフトウエア大手Elektrobit社から車載事業を買収し、1000人のソフトウエア技術者を加えた。

 自動運転で必要なのは、「走る・曲がる・止まる」の基本性能だけではない。車室内での過ごし方が大きく変わるため、内装技術の開発も重要性が増している。

 「これまではクルマが社会を変えてきたが、これからは社会がクルマを変えていく」。Continental社CTO(最高技術責任者)のKurt Lehmann氏は時代の潮目を感じ取る。自ら運転するという自動車の前提が崩れてくる中で、社会はクルマに何を求めるのか。自動車メーカーの要求を先回りして自動運転時代のシステムサプライヤーとしての価値を高める。そのために、Continetal社は2台の自動運転の試作車を用意した。