一層の質量削減を狙い、自動車の樹脂化が未踏の領域に向けて急速に進んでいる。「樹脂エンジン」と表現される通り、エンジンの部品を樹脂で置き換える動きが活発化しているのだ。そのため、耐熱性に優れる樹脂のニーズが高まっている。

 自動車のパワートレーンは、電動化によるモーターや電池の追加、ダウンサイジング化による過給機やインタークーラーの搭載などで重くなる傾向にある。エンジンを構成する部品の材料は、かつての鋼から現在はアルミニウム(Al)合金が主流になっている。鋼の比重が7.8程度であるのに対し、Al合金の比重は2.5~2.7と小さいからだ。これをもっと軽くするために、比重がAl合金よりもさらに小さい樹脂を選択するというわけである。