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HOME有料会員向けトップ > エンジンの本体部品を3割軽く、240℃の耐熱性を持つPIで挑む

日経ものづくり 2017年9月号

今こそ本気でマルチマテリアルPart2 事例〈耐熱性×軽量化〉

エンジンの本体部品を3割軽く、240℃の耐熱性を持つPIで挑む

三井化学

  • 近岡 裕、野々村 洸、中山 力
  • 2017/08/31 00:01
  • 1/3ページ

出典:日経ものづくり、2017年9月号、pp.50-51(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 一層の質量削減を狙い、自動車の樹脂化が未踏の領域に向けて急速に進んでいる。「樹脂エンジン」と表現される通り、エンジンの部品を樹脂で置き換える動きが活発化しているのだ。そのため、耐熱性に優れる樹脂のニーズが高まっている。

 自動車のパワートレーンは、電動化によるモーターや電池の追加、ダウンサイジング化による過給機やインタークーラーの搭載などで重くなる傾向にある。エンジンを構成する部品の材料は、かつての鋼から現在はアルミニウム(Al)合金が主流になっている。鋼の比重が7.8程度であるのに対し、Al合金の比重は2.5~2.7と小さいからだ。これをもっと軽くするために、比重がAl合金よりもさらに小さい樹脂を選択するというわけである。

 こうした中、エンジンの心臓部ともいえるピストンとコネクティングロッド(コンロッド)の樹脂化に挑んでいるのが三井化学だ(図1)。材料は、同社が造るスーパーエンジニアリングプラスチックである熱可塑性ポリイミド(PI)「オーラム」に、長さ数百μmの炭素繊維を30質量%加えた炭素繊維強化樹脂(CFRP)。比重は1.4程度とAl合金の50%強だが、強度をAl合金並みにするために肉厚にすることなどを踏まえると、現行のAl合金製ピストンとコンロッドに比べて、3割以上の軽量化を狙える。

図1 軽量化を狙った樹脂製ピストンとコンロッド
炭素繊維を30質量%含む熱可塑性PIで試作した。試作品のため切削で作っているが、熱可塑性のため射出成形で加工できる。発電機向けエンジンとして実用化の可能性がある。
[画像のクリックで拡大表示]

 現状では、8000~1万rpmの高回転を要するクルマのエンジンの使用には耐えられない。爆発行程時の火を遮る(火よけの)ためにピストンの頭頂部をAl合金で覆ったとしても、必要となる400~500℃の耐熱性を満たせないからだ。だが、より条件が緩やかな発電機向けレシプロエンジンのピストンとコンロッドには使えそうな感触を得ているという。

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