技術者がやりがいを持って業務に取り組むためには何が大切か。その人にしかできない仕事があって、それが価値あるものであれば、会社はその人が働ける環境を準備するだろう。著者が自らの社会人生活においてターニングポイントとなった出来事を振り返りながら、技術者が組織・社会の中で活躍するための勘所を探る。 (本誌)

 誰でも年月を経るにつれて組織や社会の中での役割が変わっていきます。大学を出て、会社に入ったばかりのときは「ひよっこ」ですが、仕事を任され経験を積んでくると視野も広がり仕事に対する姿勢が確固たるものになっていきます。同時に、組織からの期待や与えられる仕事の種類も変わってくることが普通です。

 こうした過程の中で、技術者の人生には様々なターニングポイントがあります。今回は私自身が技術者として歩んできた道をたどりながら、どんなターニングポイントがあったのか、それが私にとってどんな意味があったのかを考えてみたいと思います。ベテラン技術者の方には、ご自分の人生と重なるものを感じられるかもしれません。若い技術者の皆さんにとっては将来の参考になればと願います。