プラント装置のポンプから、異常を知らせる信号が上がってくる。吸い込み圧力、吐出圧力、流量が大幅に低下し、さらに加速度計が振動の発生を検知。この状態ではポンプの軸受が数日しか持たないことが判明したが、なぜ振動が発生しているかは分からない。そこで、得られた情報をデジタルツインに当てはめて流体解析を実施。ポンプ内でキャビテーションが発生し、細かな泡が破裂することで振動が起こっていることが明らかになった─。

  ポンプメーカーの米Flowserve社による、ポンプのデジタルツインを説明するためのシナリオの一部だ(図1)。

図1 米Flowserve社によるポンプのデジタルツイン
図1 米Flowserve社によるポンプのデジタルツイン
稼働データから判明した不具合(キャビテーション発生)の原因をシミュレーションによって追求できる。イベントなどでの説明に用いる実演用モデル(a)と、デジタルツインの画面表示(b)。米PTC社、米National Instruments社、米ANSYS社などが協力している。
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