メガネ型端末の登場で、市場拡大が期待されるAR(Augmented Reality)。そこに、最近の技術進展が著しいプロジェクターが加わり、さらに応用先が広がりそうだ。今後、家電や業務用エンターテインメント(娯楽)機器、自動車、産業分野などに裾野を広げていく見込みである。

 家庭の中心を狙う次世代の機器として期待される音声対話機能付きスピーカー端末。米Amazon.com社の「Amazon Echo」が開拓・先行し、それを追う形で米Google社も「Google Home」を発売。米Microsoft社の音声対話機能「Cortana」を搭載した端末が登場するなど、強豪がひしめき合う。

 そんな新市場に、米Apple社もついに参戦する。2017年6月開催の「WWDC 17」で、Amazon Echoの対抗馬になる「HomePod」を同年12月に発売すると発表したのである。同社の音声対話機能「Siri」を搭載し、スピーカーとしての音質の良さを特徴にうたう。

ソニーも新しい家電を繰り出す

 音声対話機能付きスピーカー端末にエレクトロニクス業界の注目が集まる一方で、ソニーも、家庭の中心を狙った新製品の発売に踏み切る。それが、2017年6月発売の小型短焦点プロジェクター「Xperia Touch」である。投映した映像に触れて操作できるタッチ入力機能に加えて、Android OSを搭載したことで、スマートフォンやタブレット端末のように多目的な用途に向けている。Amazon EchoやHomePodに競合する形だ。

 家庭内のより広範な目的で利用できるように、加速度やジャイロ、地磁気といったモーションセンサーの他、照度や気圧、温度、湿度、人感といった環境センサー、カメラ、マイクなどのセンサー群を備える。

 例えばカメラとマイクを使い、大画面でビデオ通話できる。音声認識機能を備え、同機能を利用して天気予報やニュース、今日の予定などの検索の他、音楽再生やアプリの起動も可能だ。Xperia Touchから約2mのところにまで人が近づくと、人感センサーが反応し、自動で映像を投映する。技術的には、カメラによる顔認識も可能で、個人に応じて異なるメニュー画面を表示することもできる。