Professor's Eye
目次
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《日経Robo》Walt Disney社のオーディオ・アニマトロニクス技術、フィギュア本体とプログラミングで進むデジタル化
読者の皆さんは「オーディオ・アニマトロニクス」という技術をご存じだろうか。名称自体はWalt Disney氏による造語で、音楽やせりふに合わせて動くロボットによって、テーマパークなどにいるキャラクターを物理的に実現する技術を指す。同じ動きの反復を得意とするロボットの特性を利用しているという意味では…日経Robotics
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《日経Robo》金出武雄氏 私の知るDARPAの深層(最終回) 誇りと達成感がマネジャーのモチベーション
今号は、成功するプログラムマネジャー(PM)はどういう人か、成功へと導くモチベーションは何かなどについて考察する。PMにとって最も重要な資質は、人を働かせるためのマネジメント能力である。自分が担当するプログラムの研究代表者たちとその傘下の研究員たちを元気づけて働かせながら、人と人、チームとチームを…日経Robotics
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《日経Robo》金出武雄氏 私の知るDARPAの深層(4)、100人の天才が旅行業者で結ばれた組織
前号ではDARPAプロジェクトのプログラムのアイデアが、軍の現場のニーズから生まれることについて触れた。今号でも引き続き、アイデアの出所について説明する。日経Robotics
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《日経Robo》金出武雄氏 私の知るDARPAの深層(3)、プロジェクトのアイデアは軍の現場から
明確に3~5年程度の期限を付けて実施されるDARPAプロジェクトは「非常に効果的だ」と言われている。今回はその仕組みについて、私の考察を交えながら説明する。日経Robotics
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《日経Robo》金出武雄氏 私の知るDARPAの深層(2)、強者の「Collapetition」がプロジェクトの原動力
前回は米Defense Advanced Research Projects Agency (DARPA)の成り立ちやDARPAプロジェクトを説明した。今号ではプロジェクトの設定と運営について述べる。日経Robotics
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《日経Robo》金出武雄氏 私の知るDARPAの深層(1)、不確実は許すが曖昧さは許さない
1957年、旧ソビエト連邦が世界初の人工衛星「スプートニク」の打ち上げに成功した時、米国は大きな衝撃を受けた。科学技術的な脅威が国防に多大な影響を及ぼし、国防と科学技術が表裏一体であることに初めて気付かされたのだ。日経Robotics
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《日経Robo》米国ロボット業界の転職事情、求人状況は非常に良好
人材の流動性が高い米国では、日本と比べて解雇・転職のハードルが心理的にも制度的にも低い。期限が決められていない雇用契約には、雇用者・被雇用者の都合でいつでも理由なくやめさせる・やめることができるという文言が含まれている。企業側が業務の転換・縮小で不要になった社員を解雇(レイオフ)するのは日常茶飯事…日経Robotics
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《日経Robo》Physical Human Robot Interaction(pHRI)とは、人間の筋骨格系の挙動考慮が必要
筆者の第1回目のコラムで人と共に働く「コ・ロボット(Co-Robot)」についての米国の国家プログラムについて簡単に紹介した。コ・ロボットは組み立て作業向けのマニピュレータや移動台車、ドローンなど基本的に人から隔離された空間で動くもの、リハビリおよび手術ロボットなど人と接触した状態で使用されるものに…日経Robotics
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《日経Robo》生物らしさを目指すソフトロボティクス、著しい進展でロボット工学に強いインパクト
ロボットの研究者や開発者は、多かれ少なかれ生物との関わり合いの中から様々なアイデアを得たり発明をしたりしていると筆者は思う。もし我々自身が生物ではない、あるいは生物を知覚できる存在でなければ、「ロボットを創ろう」とは思わないだろう。そういう意味で、生物規範型ロボット工学(Biologically I…日経Robotics
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《日経Robo》人とロボットの物理的インタラクション、現状を踏まえ安全性や法・倫理的な課題を考察
伝統的な産業用ロボットは工場の囲いの中で動作し、人間とインタラクションすることはほとんどなかった。インタラクションするとしても、専門家であるエンジニアがプログラムするときぐらいだろう。しかし近年、パーソナル・アシスタント・ロボットなど専門家ではない人間に近いところで動くロボットが増えるにつれ、「ヒュ…日経Robotics
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《日経Robo》米国で重要視されるアクチュエーター研究、生体の動きから着想を得るアプローチも盛んに
アクチュエーターは、電池など何らかの形で蓄積されたエネルギーを力や変位といった機械的エネルギーに変換する機械要素の総称である。日経Robotics
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《日経Robo》「動き」 を作り出すメカニズムが土台、最短最小で究極のロボット工学教育を追求
筆者が以前勤務していた米MITのビルの入口には、消火栓とホースを模したオブジェが飾られている(図1)。聞くところでは、そのオブジェが示すメッセージは「MITの授業は消火栓から出てくる水を飲んでいるようなものだ」ということだそうだ。日経Robotics
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《日経Robo》ロボットは人型の必要があるのか、作業効率やインフラを勘案して検討を
ロボットに関係する研究分野は幅広いが、筆者の主な研究対象はヒューマノイド、つまり人型ロボットである。ヒューマノイドロボットの定義はよく議論になるが、左右に伸びた2本の腕を持つ2足ロボットであれば十分条件を満たしていると言えるだろう。日経Robotics
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《日経Robo》時間と空間の高い繰り返し精度を活用してこそ、ロボティクスの医療応用は意味がある
車輪型移動ロボットやプロペラ式飛行ロボット(ドローン)、2足歩行型ロボットといったように、ロボットは多種多様な形態を採る。これらのうちマニピュレータと呼ばれる多関節腕型ロボットや多指ロボットハンドは人間の器用な作業を再現できる装置として、組み立て作業をはじめ幅広い分野で応用されている。単純な繰り返し…日経Robotics
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《日経Robo》ロボット工学研究にユーザー視点を与えるには、大学発ベンチャーの起業が有効
大学院生を研究指導するに当たって一番苦労するのが、「ロボット工学の研究とはそもそも何か」ということである。最近ではYouTubeなどで研究者顔負けの非常に優れた、非研究用に製作されたロボットの動画が見られるようになってきたが、彼らの作るロボットと我々が研究するロボットは何か違うのだろうか。日経Robotics
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《日経Robo》事故を契機に自動運転と法を巡る議論が活発化、システムの過度の擬人化は避けるべき
筆者は2015年10月号の本コラムでロボットと法に関する寄稿を執筆したが、その後、自動運転システムと法の関係を巡る議論が活発化するきっかけとなりそうな事故が2件発生した。そこで今号では、これらの事故に対する社会の反応を紹介し、自動運転システムの普及に合わせて法律をどのように整備していくべきかを考えて…日経Robotics
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《日経Robo》研究助成金をEUから獲得するイスラエル、ロボット開発は「ABC」向けが活発に
筆者が勤務する米Georgia Institute of Technologyを含め、多くの米国の大学での雇用契約は基本的に夏休みを除く9カ月である。夏休みは3カ月と長く、授業の準備に追われることなく研究に集中できる貴重な期間だ。時間的な拘束が少ないことから、長期の海外出張のチャンスでもある。日経Robotics
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《日経Robo》ヒルが示唆した神経回路CPGの環境適応能力、ロボットに自然な動きをさせるカギになるか
ケガや病気、老化などで日常生活に必要な物理的身体機能が損なわれたとき、ロボットの支援によってその機能を取り戻すことができれば、人間の生活はより豊かになるだろう。この場合、ロボットは人間と物理的接触を持つことになるが、人間に違和感を抱かせないロボットの開発は容易ではない。日経Robotics
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《日経Robo》欧州大学発ロボット技術を産業化するメカニズム、学生向け起業支援部署が資金提供や啓蒙活動
筆者は2015年11月号の本コラムで、欧州のロボット研究は非軍事目的が主流で、日本が置かれている状況と類似している点を指摘した。このような状況下では、例えば米国のように、研究成果を実用化まで持っていってくれることがある軍事産業などに頼るわけにはいかない。研究員は研究成果をどのような形で発表するのか…日経Robotics
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《日経Robo》企業にも利点がある米国流エンジニア育成術、ロボティクスによる理科教育を戦略的に展開
2015年3月、Barack Obama米大統領が筆者の勤務する米Georgia Institute of Technology(以下、ジョージアテック)のキャンパスを訪れ、講演した。各家庭において高等教育のための経済負担は深刻な問題であり、将来の国の発展を担う人材の育成に支障が出ていると危機感を…日経Robotics