本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

 2017年6月、ドイツ連邦交通デジタルインフラ省1)は、「自動運転車及びコネクテッドカーに関する倫理指針」(以下、倫理指針)を公表した2)。そこで20項目にわたる倫理指針の概要を見ていこう(内容を詳しく知りたい方のため、括弧内に、該当する項目の数字を示した)。

 安全性については、輸送システム自動化の目的は道路の安全性向上にあるとした(1)。衝突防止システムなどの導入は推進されるべきであり(6)、安全性が向上する限り残存リスクは許容される(3)。しかし、(完全に)自動化されたシステムは、人が操作する場合に比べて安全であることが保障されない限り許されない(2、3、6)。また、サイバー攻撃などにより自動車交通への信頼が破壊されるようなものではならないとした(14)。