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日経Robotics 2017年2月号

Case Study

《日経Robo》巨大ロボを買い付けにフィンランドへ

フィンランド発・ディープラーニングのすごいロボット(2)

  • 長場 景子、進藤 智則
  • 2017/01/10 00:00
  • 1/2ページ

出典:日経Robotics、2017年2月号、pp.3-11(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

この記事は日経Robotics購読者限定ですが、2017年12月08日まではどなたでもご覧になれます。

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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

きっかけはロボットのネット動画

 ZRRの導入を主導したのは、シタラ興産の2代目の社長である設楽竜也氏だ。創業者である同氏の父親の後を継いで、2016年5月に社長に就任したが、ZRRの導入自体は社長就任の以前から、同氏が中心になって数年がかりで進めてきた一大プロジェクトだった(図2)。

 設楽氏が、当時日本国内ではほとんど知られていなかったフィンランド発のロボットを先駆的に導入したのは、入社当時の産廃処理事業に対する同氏の強い思いが原点となっている。

図2 構想から10年で選別ロボットを導入
日本での販売代理店が決まっていない頃から、シタラ興産は社長自らZenRobotics社のフィンランドの工場を2度訪問。出会いからわずか2年で自社の工場にロボットを導入した。産業廃棄物業界では先駆的な取り組みといえる。
[画像のクリックで拡大表示]

 設楽氏は学校を卒業後、ほどなくして父親の経営するシタラ興産に入社した。ただし、経営者の息子といえども、当初は産廃の選別現場の作業員として働いた。連日、ベルトコンベア上を流れる木くずや廃プラスチックを手で拾い、選別する作業に明け暮れる中、「辛い仕事だ」と現場の作業員の負担を身にしみて実感。同時に、いつしか「過酷な仕事という産業廃棄物処理業界のマイナスイメージを払拭したい」との思いを抱くようになった。2003年、同氏が24歳の時、社長である父親が倒れたこともあり、このころから、いつか家業を継ぎ、経営者として自らの思いを実行に移すことを意識し始めた。

 設楽氏は、産廃業界のイメージを一新するには、まずは作業員を過酷な労働から解放することが大前提だと考えた。人に代わって廃棄物の選別を自動で行ってくれるロボットはないかと、毎日のようにインターネット上の動画共有サイトなどを検索。「選別機」や「セパレート」といったキーワードで検索を続けるうちに、1つのロボットにたどり着く。それがZenRobotics社のZRRである。

 産廃処理業界にはZRRに限らず、以前から自動選別用のロボットはあった。しかし、その多くはコンクリート片などの選別に向けたものが大半。設楽氏はZRRの動画を見て、コンクリート片などだけでなく木くずなど多種多様な廃棄物までロボットが自動で掴み、選別する様子に衝撃を受けた。現場の作業員時代に連日、木くずを拾い続けてきた経験から、木くずのピッキングの難しさを実感していたからだ。長年探していたものをついに見つけたとの思いだった。

 ここからZRRの導入に向けて、設楽氏の怒濤の日々が始まる。同氏はZRRの動画を発見した後、すぐさま馴染みの商社に連絡。彼らを引き連れて、ZenRobotics社があるフィンランドに飛んだ。自らの目でロボットの動きを確かめるためだ。ZRRの世界で最初のユーザーである、フィンランドSUEZ Finland社のヘルシンキの工場を訪問。約1週間、朝から晩までロボットに張り付いて見学した。ロボットは本当にどのような種類の廃棄物でも選別できるのか、天候によって動作に違いはないのかなど、つぶさに観察した。

 その後も、設楽氏は立て続けにフィンランドを訪れる。2015年8月には、実際にロボットを購入するつもりで訪れた。2016年1月になって、国内での販売代理店に決まったサナース、さらにはベルトコンベアや専用機械の製作を請け負う御池鉄工所と共に再びフィンランドを訪問。ここでついにZRRを購入し、今回の導入に至った。

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