• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

HOME有料会員向けトップ > 《日経Robo》フィンランド発・ディープラーニングのすごいロボット(1)

日経Robotics 2017年2月号

Case Study

《日経Robo》フィンランド発・ディープラーニングのすごいロボット(1)

産廃処理に革新、埼玉・深谷の企業が導入

  • 長場 景子、進藤 智則
  • 2017/01/10 00:00
  • 1/2ページ

出典:日経Robotics、2017年2月号、pp.3-11(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

この記事は日経Robotics購読者限定ですが、2017年12月08日まではどなたでもご覧になれます。
本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

 ディープラーニング技術を駆使し、紙くず、木くず、金属、ガラス、廃プラスチックが混ざり合った産業廃棄物を1時間に3000個ものスピードでロボットが選別─。これまで人手で行うしかなかった選別作業の完全自動化を実現し、産廃処理の世界に一大革新を起こした大型ロボットが埼玉県深谷市にある。

 導入したのは、関東一円の1都8県から広く産廃を収集し、選別処理などを行う事業者、シタラ興産。産廃の収集などを行う事業者は全国に多くあるが、シタラ興産のようにAI技術を生かしたロボットで選別作業を行う企業の施設は、国内では多くない。2016年11月に本格稼働した同社の最新鋭工場「サンライズFUKAYA工場」は、そのうちの1つだ。ロボットの斬新さが噂を呼び、同工場には導入以来、累計で800人もの見学者が訪れるなど、業界で密かな注目を集めつつある。

[画像のクリックで拡大表示]
[画像のクリックで拡大表示]
図1 産業廃棄物向け選別ロボットを導入
産業廃棄物の選別施設などを運営するシタラ興産は、産業廃棄物を学習データを基に画像認識しロボットで自動選別する、フィンランドZenRobotics社の「ZenRobotics Recycler」を2台導入。
表1 工場建設費用も含め約36億円を投入
[画像のクリックで拡大表示]

 シタラ興産が導入したのは、最新の人工知能(AI)技術を搭載したフィンランド発のロボットだ。2007年設立のフィンランドのロボットベンチャー、ZenRobotics社が開発した産廃の自動選別ロボット「ZenRobotics Recycler(ZRR)」である(図1)。廃棄物の認識やロボットの制御などに機械学習手法の一種であるディープラーニング(深層学習)を用いることで、木くずや金属など複数の素材が混在した廃棄物を高精度に自動選別できる。

 ZenRobotics社は、ディープラーニングの世界的権威であるYann LeCun氏とも共同研究していた研究者を複数抱えるほどの先端企業だ。シタラ興産は新工場の建設費を含め、このZRRの導入に約36億円もの巨費を投じ、産廃の選別プロセスを国内で先駆けて一新した(表1、図2)。

図2 構想から10年で選別ロボットを導入
日本での販売代理店が決まっていない頃から、シタラ興産は社長自らZenRobotics社のフィンランドの工場を2度訪問。出会いからわずか2年で自社の工場にロボットを導入した。産業廃棄物業界では先駆的な取り組みといえる。
[画像のクリックで拡大表示]

 廃棄物の選別は粉塵が発生するなど人が作業するには過酷な空間だ。作業も長時間に渡り、作業員の負担は従来、肉体的にも精神的にも大きかった。コンクリート片のような重量物を持ち上げて選別するなど、危険が伴う作業も多かった。今回、ロボットを導入したことで、こうした選別作業が自動化され、従業員は過酷な選別作業から解放。選別のスループットも約12倍に向上した上、24時間稼働も可能になった。従来、選別作業は15人で担当していたが、導入後は選別結果の監視員などを含めて4人に削減できた。

おすすめ

あなたにおすすめ