本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

 トヨタ自動車がロボット向けにトルクセンサを内製していることに象徴されるように(別記事を参照)、今後ロボットの適用範囲を広げていく上で力の計測・制御はなくてはならないものだ。

 ロボットが工場内で安全柵の中にとどまっている分には、作業の対象物(ワーク)以外、物体との接触はほとんど生じないため、基本的に位置制御だけで十分だった。

  しかし、安全柵がなく、人と同じ空間で稼働する移動ロボットや協働ロボットのような用途、柔軟で不定形の物体を扱う用途、未知の環境で外乱への高いロバスト性を求められるような用途では、安全性を確保したり、外力を能動的に吸収したりする上で力の計測・制御が必須となる。ここでは最近の力制御の動向を簡単にみてみよう。