前回は、価格設定について学習しました。その中で、最後に強調したのが「価格設定を失敗してしまうと、いくら商品・サービスが優れていても、ビジネスが思うように進まなくなってしまう」ということでしたね。

 皆さんも消費者として経験があると思いますが、価格面で納得がいかなかったり、値ごろ感を感じられなかったりすると、どんなに気に入った商品・サービスであっても最終的には「買わない」という判断をしているはずです。

 では、ここで皆さんにお聞きしたいのですが、この「買わない」という判断をなぜしたのかについて理路整然と説明できるでしょうか。無理やりであれば理屈付けできるかもしれませんが、実は結構「感覚的・感情的」な部分に左右されていませんか。そう、実は購買行動において、私たちは「感覚的・感情的」に買う、買わないを決めていたりするのです。

 ということは、この人間の「感覚的・感情的」な部分、すなわち「人間心理・購買心理」をよく理解して値決めをすることも必要な場合があるのです。このような値決めのことを「心理的価格設定」と言います。

 それでは、代表的な4つの心理的価格設定について見ていきましょう。