電気・電子系技術者が備えている実力を客観的に把握するために開発された試験「E検定 ~電気・電子系技術検定試験~」(過去のサンプル問題や出題範囲などE検定の詳細はこちら)。E検定で出題される問題例を紹介する本連載の問70は「電磁気」の分野から、コイルに流れる誘導電流について問う問題である。

【問題を解く意義/理由/効能】

 磁石とコイルの距離を変えると、コイルに電流が流れます。これを電磁誘導といいます。電磁誘導による起電力を誘導起電力といいます。また、その時コイルに流れる電流を誘導電流と呼びます。電磁誘導によって回路を流れる誘導電流は、磁束の変化を妨げる方向となることを「レンツの法則」と言います。また、鎖交する磁束が変化する時、磁束の減少の割合に比例して起電力が誘導されることを「ファラデーの法則」と言います。

 レンツの法則とファラデーの法則をしっかり理解していることで、本問題のような複雑な事象も解けるようになります。

【レベル】現場での問題解決に必要な知識(レベル3)

【正答率】30.9%


【問70】
電流Iが流れている無限に長い導線から、導線と同一平面内にある長方形コイル(短辺a、長辺b)が速度vで遠ざかっている。図のようにコイルの導線側に近い長辺が導線から距離r離れたとき、コイルに流れる誘導電流は次のどれか。コイルの抵抗をRとする。