電気・電子系技術者が備えている実力を客観的に把握するために開発された試験「E検定 ~電気・電子系技術検定試験~」(過去のサンプル問題や出題範囲などE検定の詳細はこちら)。E検定で出題される問題例を紹介する本連載の問82は「実装」の分野から、高荷重時の鉛フリー・ハンダについて問う問題である。

【問題を解く意義/理由/効能】
 鉛フリー・ハンダの特性を問う問題です。同じハンダでありながら、鉛フリー・ハンダは、従来の共晶ハンダに比べ、かなり異なる特性を持ちます。鉛フリー・ハンダの特性を知ることにより、実装時に特性を考慮して設計できるようになります。

【レベル】 概念の応用能力(レベル2)

【正答率】 22.5%


【問82】
 鉛フリー・ハンダは、高荷重において従来の共晶ハンダに劣るとされているが、それはなぜか。

 

負荷が係(かか)った時、弾力が無く変形が残る特性であるため、高荷重では強度不足となる場合が多い。

 

電子部品は、使用時に発熱し、未使用時には環境温度に戻る。この繰り返しが、超塑性変形特性を持つ鉛フリー・ハンダには不利である。

 

粘りある特性で大きく変形しても、なかなか破断には至らない。しかし、高荷重においては強度不足を起こす。

 

強固な結晶構造で機械的強度は高い。逆にある値以上の荷重が係ると疲労破断を起こす。