──では、海外でのAI関連の研究事例をご紹介いただけますか。

沖山氏 まずは、「Human Diagnosis Project」です(リンク:Human Diagnosis Project)。AIが学習するためには学習素材が必要なのですが、これはその素材集めの全世界的なプロジェクトです。症例を投稿したり、投稿された症例を解いてみることができるので、是非、体験してみてほしいと思います。2016年12月にはハーバード大から出た研究で、このプロジェクトによって学習したAIと人間の内科医のどちらが診断能力が高いかを比較した論文がJAMA Internal Medicineに掲載されました。現時点では内科医の方が正診率が高いという結果でしたが、このような論文が出ること自体が驚きです。

「Human Diagnosis Project」サイト画面
「Human Diagnosis Project」サイト画面

沖山氏 次は米Mayo Clinicの「Symptom Checker」です(リンク:Symptom Checker)。症状などに関して幾つか質問に答えていくと疾患候補名が出てきます。

「Symptom Checker」の画面
「Symptom Checker」の画面

沖山氏 メドレーでも一般人向けではありますが、症状を入力、質問に答えていくと疾患候補名がリストとして出てくる「症状チェッカー」を開発し、公開しています(リンク:症状チェッカー)。

「症状チェッカー」の画面
「症状チェッカー」の画面