今後の市場拡大が見込まれる、電気自動車やハイブリッド車といった電動車両向け駆動システム(電動パワートレーン)を巡る開発が熱気を帯びている。「メガサプライヤー」と呼ばれる巨大な電装品メーカーだけでなく、モーターやインバーターなどを手掛ける車載部品メーカー、パワーデバイスや受動部品を扱うデバイスメーカーなど、さまざまな立場の企業が製品開発に注力している。新規参入する企業も少なくない。新規参入組の中で鼻息が荒いのが日本電産だ。そんな同社の車載事業部を率いる専務執行役員の早舩一弥氏が、今後の電動化市場への期待と事業戦略などを語った。(聞き手=根津 禎、久米 秀尚)

日本電産 専務執行役員の早舩一弥氏。同氏は以前、三菱自動車工業で電気自動車などの開発に携わっていた。
日本電産 専務執行役員の早舩一弥氏。同氏は以前、三菱自動車工業で電気自動車などの開発に携わっていた。

 世界の各国・各地域で、2020年ごろから従来よりも燃費・CO2排出基準が厳しくなる。これに伴い、ハイブリッド車(HEV)や電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)といった電動車両を20年ごろから増やす傾向にある。

 例えば欧州では、乗用車におけるCO2の平均排出量の目標値が2015年の130g/kmから、2021年には95g/kmへ引き下げられる。これまでは、マイルドハイブリッド車やディーゼル車が中心だった欧州市場だったが、これからは電気自動車やプラグインハイブリッド車(PHEV)が投入されることになる。