ロケーションVRの施設「VR ZONE SHINJUKU」の責任者で、日本のVR業界で著名なバンダイナムコエンターテインメントの小山順一朗氏のインタビュー。その内容を4回に分け、そのうち2回までお届けしてきた。第3回の今回は、同氏が社内を説得し、VR事業のような新しい事業をどのようにして始めたのか、その経緯を語ってもらう。(聞き手=根津 禎) (前回はこちら

インタビューに答える小山氏
インタビューに答える小山氏
(写真:加藤康、以下同)
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 しっかりとしたビジネスプランだけでは、VR事業のような「0」を「1」にする新規事業になかなかゴーサインは出ません。ここでものを言うのが過去の実績です。

 私の場合、社会人キャリアは、ナムコのアーケードゲーム機のメカエンジニアとしてスタートしました。1990年にナムコに入社してから、体感ゲーム機の良しあしを左右する可動機構などの「心臓部」を作っていました。このころの成果で、「小山に任せるといい体感ゲーム機を作れる」という評価を得ていました。