「対面診療とオンラインでの遠隔診療を組み合わせた新しい医療を、次の診療報酬改定でしっかり評価する」。安倍首相がそう発言して話題を呼んだ、2017年4月14日の第7回未来投資会議。この場で、ICTを活用した次世代医療のあり方を提言し、次期診療報酬改定での遠隔診療の評価に向けた大きな流れをつくったのが、医療法人社団鉄祐会理事長でインテグリティ・ヘルスケア代表取締役会長の武藤真祐氏である。

 循環器内科を専門とする同氏は、東大病院や三井記念病院、宮内庁、McKinsey & Companyなどを経て、2010年に在宅医療を提供する「祐ホームクリニック(後に医療法人社団鉄祐会)」を設立した。在宅医療を担うクリニックを東京都内を中心に展開し、2011年には東日本大震災をきっかけに宮城県石巻市にクリニックを開設するなど、地域医療にも力を注いでいる。2015年からは在宅医療の取り組みをシンガポールでも展開。医療支援システムの開発に取り組む企業、インテグリティ・ヘルスケアの経営を担う立場でもある。

 ICTを活用した新しい医療の姿をさまざまな立場から提言している武藤氏。遠隔診療の可能性や普及への課題などについて、同氏に聞いた。

(聞き手は大下 淳一=日経デジタルヘルス)

武藤氏(写真:栗原 克己、以下同)
武藤氏(写真:栗原 克己、以下同)