――何らかの新たなシステムを導入していく上で、それをいかにして持続的なものにしていくのか。これも座談会での話題の一つとなりました。
必要なのは、創意工夫を促す仕組みや制度ではないでしょうか。普通は、何かを提供したらそれにお金が支払われる。でもこれは、極端に言えば、創意工夫がなくてもできてしまう仕組みなんです。そうではなくて、限られた財布(制約)の中でいかにコストを下げられるか、それに対して何らかのメリットを得られる仕組みが必要です。
患者の側としても、医療も介護も無鉄砲に買えるものではなく制約があった上で、日々の生活の中で工夫をしていかなければ結果として自分に不利益がくるといった仕組みが求められます。人間はそれなりの状況に追い込まれたら、いろいろと創意工夫できるんですよ。
どこまでの制約ならサステナブルであるかというゴールをまず決めて、そこに蓋をかぶせる。その中で創意工夫して、医療従事者も患者も行動変容していくような仕組みをつくっていくべきだと考えます。