名古屋駅から車で30分ほど移動した場所にある、愛知県豊明市。そこでは、トヨタ自動車が2017年秋に事業化する下肢麻痺患者のリハビリテーション支援ロボット「ウェルウォーク」や、東レとNTT、NTTドコモが発表した機能繊維素材「hitoe」の実証が行われている(関連記事 1 2)。ウェルウォークは既に医療機器としての承認を取得済みで、“トヨタの医療機器”としても注目を集めている。

 その舞台となっているのは藤田保健衛生大学。同大学では、ウェルウォークやhitoeのほかにも、歩行練習用トレッドミルや生体活動モニターなどテクノロジーを活用したリハビリテーション支援機器の開発が盛んに行われている。

 これらの取り組みを主導するのが、同大学 統括副学長で医学部 リハビリテーション医学Ⅰ講座 教授の才藤栄一氏だ。同氏は、日本リハビリテーション医学会の副理事長やリハビリテーション教育評価機構の理事長、日本ニューロリハビリテーション学会の理事も務め、リハビリテーション医学をけん引してきた。

藤田保健衛生大学 統括副学長でリハビリテーション医学I講座 教授の才藤栄一氏(写真:森田直希、以下同)
藤田保健衛生大学 統括副学長でリハビリテーション医学I講座 教授の才藤栄一氏(写真:森田直希、以下同)
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 リハビリテーション医療の領域に、先駆的にテクノロジーを活用する意図とは――。その理由を才藤氏に聞いた。

(聞き手は伊藤 瑳恵=日経デジタルヘルス)