――遠隔診療に着目したのはなぜでしょうか。

豊田氏 私が2015年にメドレーに加わったのは、日本の一般の人達の医療リテラシーを高めたいという思いからでした。誰もがいかに医療を“自分ごと”にできるか。それが大切だという思いが以前からあったんです。

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 自分がどんな薬を飲んでいるのか、意識していない人は多い。まして、親や兄弟が飲んでいる薬のことなんて全然知りませんよね。病気のことでもそうです。それはおかしいんじゃないかと、医師として臨床に携わっていた時から感じていました。

 自分の病気や飲んでいる薬のことを、短時間の診察でも患者が深く理解できるようなクリニックを作れないか。メドレーに加わった当初から、そんなことを考えていたんです。

 そんな時、遠隔診療に関する厚生労働省の通達があった。医療を“自分ごと”にする手段として、遠隔診療は有効だろうとすぐに思いました。