医療機器の単体売りから、医療現場の課題を解決するソリューションへ。医療機器メーカーの競争軸は近年、そのように大きく変化している。2017年4月に開催された「2017国際医用画像総合展(ITEM 2017)」でも、画像診断装置のスペックではなく、装置から得たデータをどのように装置の運用やワークフローの改善につなげるかに重点を置いた展示が目立った。そこにいかにICTを活用するかが、各社の競いどころだ。

 画像診断装置大手の米GE Healthcare社は、そうした取り組みで業界を先駆ける企業の1社。GEグループのお家芸ともいえるIoT(Internet of Things)を駆使し、医療現場の課題を見える化して、その解決につなげるソリューションを矢継ぎ早に打ち出している。

 こうしたソリューションは「診断」からその周辺へ、すなわち予防を含むヘルスケアの領域へと広がり始めた。2017年2月にGE Healthcare社日本法人のGEヘルスケア・ジャパン 代表取締役社長兼CEOに就任した多田氏に、同氏が描く画像診断装置メーカーの将来像を聞いた。

(聞き手は大下 淳一、小谷 卓也=日経デジタルヘルス)

GEヘルスケア・ジャパン 代表取締役社長兼CEOの多田荘一郎氏(写真:栗原克己、以下同)
GEヘルスケア・ジャパン 代表取締役社長兼CEOの多田荘一郎氏(写真:栗原克己、以下同)
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