ドイツのAudi社とBMW社、Daimler社で組織する企業連合(コンソーシアム)が買収したことで話題になった、地図情報サービス大手のドイツHERE社。買収は2015年12月に完了しており、HERE社は自動運転時代を見据えた技術やサービスの開発を強化している真っ最中だ。

 買収の影響や今後の展開などを、同社Senior Vice President, Head of Global Sales and Business DevelopmentのBruno Bourguet氏と、同社Head of Product Marketing-AutomotiveのMartin Birkner氏に聞いた(図1)。

図1 HERE社Senior Vice President, Head of Global Sales and Business DevelopmentのBruno Bourguet氏(右)と、同社Head of Product Marketing-AutomotiveのMartin Birkner氏(左)
図1 HERE社Senior Vice President, Head of Global Sales and Business DevelopmentのBruno Bourguet氏(右)と、同社Head of Product Marketing-AutomotiveのMartin Birkner氏(左)
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——ドイツの高級自動車メーカー3社に買収されたことを、HERE社としてどのように受け止めているか。


Bourguet氏 我々は今回の買収を非常に歓迎している。ドイツ3社とはこれまでも製品・サービスを提供してきており、協力関係を構築する下地があった。全く付き合いのなかった、我々を知らない企業が買収したわけではない。買収を機に、将来の自動車が必要とする技術の開発に今後も注力できるようになったことは大きなポイントだ。

 買収後の懸念として、「HERE社は今後、高級車だけに向けた製品・サービスを提供する会社になるのか?」というものがあったが、それは違う。確かに、高級車メーカーとの関係強化は、優れた製品・サービスを生み出すと考えている。我々としても、常に最先端の技術が投入される高級車と歩調を合わせ、市場の先頭を走っていく。

 ただ、それだけでは十分ではないと考えている。スケールや最高の品質を実現するためには、高級車に限らず、自動車市場の全体にサービスを展開していかなければならない。今回の買収はそれを実現する上で非常に有効になっていくだろう。