コニカミノルタの山名昌衛社長は、オフィス向けIoTプラットフォーム「Workplace Hub」を発表した2017年3月23日のグローバルプレスイベント「SPOTLIGHT LIVE」の終了後、グループインタビューでWorkplace Hubの狙いや開発経緯を説明した。以下、山名社長の発言の要旨を一問一答形式で再構成して紹介する(関連記事「オフィスのIoT基盤狙う、コニカミノルタのWorkplace Hub」)。

――Workplace Hub開発の狙いを教えてほしい。

コニカミノルタの山名昌衛社長
コニカミノルタの山名昌衛社長
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 コニカミノルタの事業は、オフィス向けデジタル複合機がかなりの比率を占めている。世界中におよそ200万のユーザー企業があり、オフィスの良い場所に機器を設置してもらっている。だが、紙のプリンティングは次第に使われなくなっていくだろう。そこで3年前に社長に就任して中期計画を策定する中で、IoT時代に何が重要になるかを考え、(Workplace Hubのように)ビジネスのワークフローをマネジメントし、ITデバイスの管理までインテグレートできる環境が必要と確信するようになった。

――Workplace Hubの開発はロンドンのBusiness Innovation Center(BIC)が中心になったそうだが。

 ロンドンBICのヘッドであるDennis Curry氏が(BICヘッドに就任した直後の)3年前に東京に来たとき、食事に行こうと一緒に車に乗っていたら「あなたはCEO(最高経営責任者)としてこの会社、この世の中をどうしたいのだ」と突然聞いてきた。そこで「コニカミノルタは世界中に200万社のデジタル複合機のユーザーを持つ。彼らの創造性や仕事の価値をもっと高めたい」という話をしたら、その後すぐにWorkplace Hubの“青写真”を持ってきてくれた。

 BICは私が社長に就任した直後にロンドン、シンガポール、シリコンバレー、上海、東京の世界5カ所に設立した。日本人はどうしても「まずハードウエアを作って、それからソフトウエア」というプロダクトアウトの発想になる。コニカミノルタのビジネスの8割は海外だ。そこで、マーケットに近い世界5カ所にBICを置き、マーケット中心の発想でイノベーションしていくことにした。各BICのヘッドはすべて社外から招聘し、そのヘッドがスタッフを集めた。結果として、各国のBICにコニカミノルタ出身のスタッフはゼロだ。