2020年までに年間50万台の電気自動車(EV)を生産する——。そんな強気の計画を公言しているのが、米シリコンバレーに拠点を置くEVベンチャーのTesla Motors社だ。EVで世界を変えるべくビジョンを示すのが、同社CEO(最高経営責任者)のElon Musk氏である。

 カリスマ経営者の相棒として、Musk氏のビジョンを技術で形にしてきたのが同社CTO(最高技術責任者)のJB Straubel氏だ。いよいよマスマーケットに打って出る時期に差し掛かっているTesla社。技術を統括するStraubel氏に開発の方向性を聞いた。(聞き手は林達彦=日経Automotive編集長、久米秀尚=同記者)

米Tesla Motors社CTO(最高技術責任者)and Co-FounderのJB Straubel氏(写真:行友重治)
米Tesla Motors社CTO(最高技術責任者)and Co-FounderのJB Straubel氏(写真:行友重治)
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——まず、Tesla社が目指す最終ゴールや、果たしたいと思っているミッションを教えて欲しい。

Straubel氏 究極的には、世界中に走っている多くのクルマをEVにすることができると思っている。様々なタイプのクルマを作っていきたいと考えており、その目標に向かって技術を改良していく。そうすれば、EVの市場を成長させられる。そして、より多くの人々にもEVを届けられるはずだ。

 そのために今、特に力を注いでいるのが、(電池やモーター、ボディーなどの)主要部品のコストを削減し、EVを大量生産できるように体制を整えることだ。