——その成果として間もなく、米国時間2016年3月31日(日本時間では4月1日)に新型EV「Model 3」を発表する(関連記事1)。米国での販売価格は3万5000ドル(1ドル=113円換算で約396万円)からと、現行モデルの高級セダン「Model S」の半分に抑える。Model 3はどのようなクルマになるか。

Straubel氏 発表前には詳しいことは言えない。3月31日に米ロサンゼルスで発表会を開催し、そこで初めてお披露目する。とても大きなイベントになる。車両構造の詳細も見せるつもりだ。顧客やメディアにModel 3を披露できるのを楽しみにしているし、逆にそれまでは静かにしておく必要がある。

 一つ言えるのは、Model 3の開発では、コストパフォーマンスに優れたEVを提供することに焦点を合わせて努力を続けてきたことだ。3万5000ドルという価格でありながら、実際の走行環境において1回の充電で200マイル(約320km)以上走れるようにすることを目標に掲げてきた。

 我々は2008年に最初のEV「Roadster」を発売し、2013年に第2世代としてModel S(および同様のプラットフォームを採用したSUV「Model X」)を投入した。Model 3が第3世代となるが、(Model SからModel 3への)今回の進化は、RoadsterからModel Sにジャンプした時よりも大きな飛躍になる。Model 3を(2017年に生産を開始するのを)機に、より多くの国や地域で、さらにたくさんの人にEVを届けられるようになるはずだ。

Tesla社で技術開発を統括するJB Straubel氏(写真:行友重治)
Tesla社で技術開発を統括するJB Straubel氏(写真:行友重治)
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——EVの中核部品であるリチウムイオン電池に関しては、Tesla社はパソコン向けの円筒形小型セル「18650」を採用してきた。Model 3ではそれよりもひと回り大きい円筒形セルを搭載すると聞いている(関連記事2)。電池開発の方向性を聞きたい。

Straubel氏 電池の種類では、リチウムイオン電池が当面は主流になるだろう。詳細は言えないが、我々は様々な形状や大きさのリチウムイオン電池を評価している。

 この領域では、電池における我々の重要な開発パートナーであるパナソニックと緊密に連携していく。Model 3に搭載する電池も、パナソニックと共同開発したものだ。こうした協力関係は、Model SやSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)「Model X」の時から一貫して貫いている方針だ。