2016年、日本に飛び込んできた明るいニュースの一つが、東京工業大学 栄誉教授 大隅良典氏のノーベル生理学・医学賞の受賞だ。同年12月に同氏がストックホルムで行った「Nobel Lecture(ノーベル賞受賞者記念講演)」。そこで聴衆の理解に貢献したのが、オートファジー分子構造の3次元CG(computer graphics)映像である。

 この映像を作成したのが、サイアメント 代表取締役社長で医師の瀬尾拡史氏。医学の知見を生かして、医療用3次元CGを手掛けるCGクリエイターだ(関連記事12)。

サイアメント 代表取締役社長で医師の瀬尾拡史氏(写真:皆木優子、以下同)
サイアメント 代表取締役社長で医師の瀬尾拡史氏(写真:皆木優子、以下同)
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 瀬尾氏の手掛ける3次元CGは、視覚的な理解を助けることから、研究説明や教育現場、テレビドラマの映像に使われている。細胞を動かしたり、臓器の構造を手前から奥までくまなく確認したりもできる。

 既存の検査画像や臓器模型とのすみ分けや、今後の3次元CG映像の可能性について聞いた。

(聞き手は伊藤 瑳恵=日経デジタルヘルス)