図1 インタビューに応じたUwe Gräff氏
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図2 HARTING社の本社・工場
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図3 HARTING社の研究開発拠点であるクオリティ&テクノロジーセンター(ラボ)の内部
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図4 HARTING社の本社拠点にある同社の歴史を伝えるスペース
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図5 取材に応じたDetlef Sieverdingbeck氏(M.A. ,Proxy, General Manager, Communication and Public Relations)
図5 取材に応じたDetlef Sieverdingbeck氏(M.A. ,Proxy, General Manager, Communication and Public Relations)
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 産業用コネクターや工場自動化機器のメーカーであるドイツHARTING社。同社はドイツの民間企業の中でも、同国が産官学共同で推進する「インダストリー4.0」への対応に積極的な企業の1社である。例えば、ハノーバー近郊の産学共同体プロジェクト「it’s OWL」の中核メンバーとして、インダストリー4.0に関する研究開発活動に携わっている(関連記事1 )。

 今回、ドイツのハノーバー近郊にあるHARTING社の本社を訪ね、同社の事業を統括するUwe Gräff氏(Dipl.-Ing.(FH), Managing Director, Global Business Unit Electric + Electronics, IT Software Development)に、現状の取り組みや今後の戦略などについて、インタビューした。(聞き手:大石 基之=日経ものづくり編集長)

問 HARTING社の最新のビジネス状況を聞きたい。

Gräff氏 HARTING社は2015年10月1日から新会計年度(2015~2016年)に移行しているが、かなり強含みでスタートしている。前年度(2014~2015年)の売上高はその前の年(2013~2014年)に比べて3.7%増の5億6700万ユーロだった。我々の歴史上、最も売上高が多い年となった。

 新会計年度(2015~2016年)の先行きについて、我々は楽観的ながらも慎重な見方をしている。グローバルのビジネス見通しの先行きがやや曇り気味だからである。中国市場が弱含みな上、新興国の成長も減速していることが背景にある。

問 HARTINGの今後の成長シナリオとして、どのような戦略を描いているか。

Gräff氏 弊社の成長戦略は明確だ。世界規模で、我々の顧客がいらっしゃるところに拠点を置くという方針を強化している。例えば、我々は米州での活動の拡大を進めており、その甲斐あって、過去2年間で米州の売上高は33%増えている。ここにきて米国で再工業化の動きが出ていることが我々の成長の原動力になっている。米国でも弊社のインダストリー4.0ソリューションへの関心も上々だ。次回(2016年4月末開幕)の「Hannover Messe 2016」では、パートナーカントリーが米国であり、我々も楽しみにしている(関連記事2 )。

 加えて、我々は、メキシコのシラオ工場において、近々にも小型の制御盤やモールドケーブル、ワイヤーハーネスの生産を開始する予定である。ルーマニア工場での拡張もほぼ完了した。現在、我々はワールドワイドで製造ネットワークを少しずつ拡大している最中である。