エネルギーの新ビジネスモデルとは?

 DR(デマンドレスポンス)やVPP(仮想発電所)、P2P(ピア・ツー・ピア)といった新しいエネルギーサービスを提供しているプロバイダーも蓄電池を加えたサービス展開を検討し始めている。

 例えば英国の最大手DRアグリゲーターであるKiWi Power社は、同社のDRプラットフォーム「PiP」に蓄電池を組み合わせたサービスを提供し始めており、需要家のメリットも大きいとしている。

 米国でもViridity Energy社は、需要家向けに導入した蓄電池システムやDRなどDER(分散エネルギー資源)を最適に運用して経済価値を最大化するサービスを提供している。

 カナダEnbara Power Networks社もDRアグリゲーターとして成長したサービス事業者だが、蓄電池などのストレージや分散電源、EVなどDERを管理するビジネスを志向し始めており、そのためのVPPプラットフォーム「Symphony」を開発、提供し始めた。

 P2Pのプラットフォームを提供している事業者も近年蓄電池との組み合わせに興味を示している。例えば、英Open Utility社は蓄電池を併用することでさらに効果が高まると見ており、蓄電池とP2Pプラットフォームを組み合わせる検討をスタートさせるという。

 蓄電池インテグレーターとして需要家に導入した蓄電池をVPP運用するサービスを提供する独sonnen社も、ドイツの系統運用機関であるTenneT社と共同で、P2Pの基盤技術であるブロックチェーン技術を使って、複数の蓄電池システムをアグリゲートして、系統安定化に役立てる実証を始めた。