「再エネ70%」目指すハワイで

 第2の再エネ電力の数時間単位での供給シフトには、需給バランスの改善策(長周期変動対策)とローカル系統の熱容量問題への対応の2つの背景がある。この場合、時間単位のタイマー制御で充放電を行うケースが多い(表2)。

表2●需給バランス改善、送電線の熱容量問題への対策を主目的としたストレージ併設型の典型的なプロジェクト
表2●需給バランス改善、送電線の熱容量問題への対策を主目的としたストレージ併設型の典型的なプロジェクト
(出所:日経BP総研 クリーンテック研究所)
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 需給バランスの改善策としての蓄電池併設型プロジェクトの典型例がハワイ諸島のカウアイ島のケースである。

 カウアイ島では、電力事業者のKIUC(Kauai Island Utilities Cooperative)が2030年までに電力需要の70%を再エネでまかなう計画を持っており、メガソーラーの建設が相次いでいる。2015年末には再エネ比率が40%近くになり、太陽光からの電力供給が急減する夕方以降の需要急増に対応できない問題が顕在化してきた。