新設メガソーラーに求められる厳しい変動抑制

 北海道電力管内では、太陽光と風力発電の増加によって周波数の短周期変動への影響が懸念され始めた。そこで、管内の太陽光の接続申し込みが400MWを超えた時点で、2MW以上のメガソーラーを新規に建設して系統連系する場合、蓄電池などを併設して出力変動を緩和することを接続条件とした。技術要件は、すべての時間において、出力の変動幅を1%以下/分に抑制するという厳しいものだ。今回のシステムもこの要件に沿うように設計された。

 システム構成は、太陽光パネルと蓄電池システムの各々にパワコンを搭載し、直流から交流に変換したうえで合成して系統に送る「ACリンク」を採用している。例えば、雲が通過するなど太陽光パネルからの出力が減少すると、蓄電池のパワコンで直流を交流に変換したうえで6600Vに昇圧して放電される。逆に出力が増加した場合には、太陽光発電の余剰電力を減圧して直流に変えて蓄電池に充電する。こうした充放電を出力変動に追従して頻繁に繰り返して出力を平滑化する。

 合成された交流電力は施設内の変電施設でいったん3万3000Vに昇圧して6kmの距離にある変電所に送られる。ここでさらに6万6000Vに昇圧して、「ほくでん東釧路変電所」に系統連系される。

 太陽電池向けパワコンは日新電機、蓄電池向けパワコンはTMEIC製であり、三菱電機が両パワコンの統合制御によって出力変動幅を1%/分とする全体のシステムを担当した。蓄電池システムについては、三菱電機と協議しながら、壱岐や隠岐諸島プロジェクトの周波数制御の成果を活用して、充放電の制御を詰めていった。