システム効率は70%以上

 南早来変電所内のレドックスフロー電池(60MWh・15MW)は、経済産業省の「大型蓄電システム緊急実証事業」に応募し、採択されたもの(図6)。

図6●セルスタックを納めた筐体
図6●セルスタックを納めた筐体
(出所:日経BP)
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 同実証事業では、九州電力・豊前発電所に設置した300MWh・50MWのNAS(ナトリウム硫黄)電池、東北電力・南相馬変電所に設置した40MWh・40MWのLiイオン電池が稼働している(関連記事)(関連記事)。

 この3つの蓄電池の特性を比較すると、いずれも充放電の応答速度が速く、系統電力の短周期変動と長周期変動の両方の対策に活用でき、大容量化も可能となっている。ただ、システム効率は、Liイオン電池が最も高く約80%、それに次ぐのがNAS電池、レドックスフロー電池は最も低く約70%となっている。

 一方、設備コストを比べると、1kWh当たり20万円とされるLiイオン電池が最も高く、最も安いのがNAS電池、レドックスフロー電池は、両電池の中間程度とされる。ただ、Liイオン電池に関しては、応答性が最も良いため、1kW当たりの単価では最も安くなっており、加えて、「ここに来て、韓国メーカーなどが量産によって低コスト化を進めており、kWhベースでも最も安くなっている」との声は多い。