「パワーウォール2」はパワコン内蔵、日本でも販売へ

 住宅用の蓄電システム「パワーウォール」は現在、第2世代品となる「パワーウォール2」を販売している。

 太陽光発電の電力を貯めて使うことで、料金単価の高い需要ピーク時に電力購入量を減らしたり、停電時のバックアップ電源などとして活用できる。停電時に、住宅内のどの機器に優先的に電気を供給するのかなどは、スマートフォンなどで簡単に設定できる。

 「パワーウォール2」は、第1世代品に比べて30%小型化した上、容量が2倍以上となる13kWh以上、出力は平均5kW・ピーク時7kWと、小型・高性能化した(図6)。

図6●住宅用の蓄電システムの第2世代はパワコン内蔵に
図6●住宅用の蓄電システムの第2世代はパワコン内蔵に
「パワーウォール2」の概要(撮影:日経BP)

 パワーコンディショナー(PCS)も内蔵に変えた。これも大きな利点になったとしている。従来は「パワーウォール」を導入する住宅では、太陽光パネル、PCSは別のメーカーから購入する必要があった。ソーラーシティの買収と蓄電システムへのPCSの内蔵化によって、1社ですべてを賄えるようになり、顧客の利便性が増したとする。

 「パワーウォール2」は、日本市場にも投入するための準備を進めている。現在、日本向けの仕様を検討中で、電気安全環境研究所(JET)の認証の取得に向けた作業を進めていることを明らかにした。

 日本では、約70万円で販売する予定という。

 「パワーウォール2」は、容量13.5kWhのシステムを複数台、接続して使われることもあり、10台・135kWhまで接続可能となっている。

 住宅向けに展開するに当たり、同時多発テロの影響から、米国で最も安全に厳しい米ニューヨークの消防と、住宅で火災が発生した場合の蓄電池のリスクや、蓄電池自体が熱暴走した時の対策などを含めて、さまざまな課題を検討し、これらを想定した試験を重ねてきたとしている。