宮城県石巻市茜平にあるショッピングセンター(SC)「イオンモール石巻」は、東日本大震災の直後、一時的に約2000人が避難し、イオン石巻店の社員らが献身的に対応したことで知られる。被災から5年が経ち、同SCの北西に隣接した「新蛇田(へびた)地区」では、トラックや重機など、復興の槌音が鳴り響く。

災害時でも灯りの消えない街

 かつて、一面に広がっていた田んぼが、被災地の集団移転団地となり、新市街地に変貌しつつある。46.5haの敷地に、復興公営住宅と戸建て用の分譲地を整備し、計画戸数1460戸、計画人口3700人となる被災地で最大規模の移転地になる。

図1●東北電力の「石巻蛇田太陽光発電所」(出所:日経BP)
図1●東北電力の「石巻蛇田太陽光発電所」(出所:日経BP)
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図2●「石巻スマートコミュニティ推進事業」の記念式典(出所:日経BP)
図2●「石巻スマートコミュニティ推進事業」の記念式典(出所:日経BP)
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 東北電力の「石巻蛇田太陽光発電所」は、イオンモール石巻から徒歩5分ほど、新蛇田地区の外れにある(図1)。1204枚の太陽光パネル(合計出力300kW)が、真新しい舗装道路に面して敷かれて、復興住宅からも一望できる。

 今年3月24日、同発電所の敷地内で、「石巻スマートコミュニティ推進事業」の記念式典が開催された。「石巻市、東北電力、東芝の3者協働により、平素は低炭素なエコタウン、災害時にも灯りが消えない、安心・安全な街づくりが実現した」。式典で出席した石巻市の亀山紘市長は、こうあいさつし、同市復興の重点プロジェクトへの期待感を示した(図2)。