中国経済減速のニュースが頻繁に聞こえてくる。この影響がディスプレー産業にも及ぶのか、あるいは既に影響が出ているのか、と業界関係者から聴かれるこの頃である。

 表向きは、中国の業界関係者はまだ強気である。そこには、液晶ディスプレー技術では既に日韓台をキャッチアップし、これから有機ELをベースとした「新型ディスプレー」を実現して、一気に主導権を握りたいという思いが透けて見える。

 このような中国ディスプレー産業の動向を、今年(2015年)の初めから本連載で継続的に紹介してきた。この10月には、来年(2016年)に向けた動きを予測する良い機会として、北京で国際会議「Display Innovation China 2015」(10月13~14日、詳細はこちらも開催される。この会議の内容は後日レポートすることにして、まずはこれまでの動きを拾いながら、中国ディスプレー産業の現状を整理する。