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HOMEエネルギーメガソーラー太陽光発電事業者のための法律Q&A > 新築ビルの影で太陽光の発電量が減った場合、損害賠償の対象ですか?

太陽光発電事業者のための法律Q&A

新築ビルの影で太陽光の発電量が減った場合、損害賠償の対象ですか?

<第33回>マンション建築時に太陽光パネルへの日照阻害を発生させてしまう場合の補償金額

  • 弁護士法人 匠総合法律事務所 代表社員弁護士 秋野卓生
  • 2017/11/30 06:00
  • 1/4ページ

マンションデベロッパーの悩み

 最近、マンション販売デベロッパーの社員向け研修会を開催したところ、トラブルとして多いであろう騒音や振動問題よりも、マンション建築の際に、近隣の太陽光パネル(戸建て住宅の屋根の上にあるケースが多い)への日照阻害が発生してしまう可能性があることが事前に確認され、近隣説明に行く際に「売電収入が減少」する価格相当額について、どのように対応すればよいか、という事に悩むことが多いという意見を頂きました。

 太陽光パネルの屋根搭載件数は、今後もZEH(ネット・ゼロエネルギー住宅)などの普及により増えていくと思われますが、隣地にマンションを建築する際、「太陽光発電システムに十分な日照を受けられなくなり、発電量が減少する」という補償問題は、ますます増加していくことが予測されます。

図1●太陽光パネルへの影は発電量の減少に直結する
(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]

 今回は、マンション建設により太陽光発電システムに日が当たらなくなる場合、業者は、太陽光発電システムの所有者などに対し、日照阻害による減収を賠償しなければならないか、という論点について解説したいと思います(図1)。 

売電収入の減少も損害賠償の対象となるか

 「衛生上の利益」「生活上の利益」としての日照を享受する利益は、法令上及び裁判例上保護されるべきものとされており、日影規制違反など公法規制違反の有無、日照阻害の程度、地域性、交渉経過などの事情を総合的に考慮し、日照阻害の程度が受忍限度を超えると認められた場合には、業者は、損害賠償責任を負うこととなります。

 これに対し、太陽光パネルへの日照については、建築基準法上の日影規制などを除けば、現状、法的な規制は設けられていません。また、上記の建築基準法上の規制や裁判例で保護されてきた日照は、「衛生上の利益」「生活上の利益」としてのものである一方、太陽光発電システムに日照を受ける法的利益は、固定価格買取制度を基礎として、太陽光発電システムに対する投資を回収できるかどうかという経済的利益に関するものです。

 このような利益は、「衛生上の利益」「生活上の利益」としての日照の場合と同程度に法律上保護される利益といえるのか、マンション建設による日照阻害は当該利益の違法な侵害となるのかが問題となります。

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