EPC業者の責任期間終了後の問題

 それでは、EPC業者が上述の責任を負うのは、責任期間、すなわち、瑕疵担保責任期間・保証期間又は表明・保証責任期間内である。期間終了後については、原則、上記責任を追及できない。それゆえ、上記の保証期間が5年であった場合において、引渡しから10年目に特許侵害が発覚した場合には、太陽光発電事業者は、EPC業者に対して上記の法的責任を追及できないため注意が必要である。

 これらのリスクを回避するためには、太陽光発電事業者側においては、瑕疵担保責任期間や表明・保証責任期間について、短期間で不具合が確認できる機械の瑕疵については短期保証としても、いつ問題が生じるかわからない法的瑕疵については長期保証を受けるという考え方も採用しうるところであろう。

京セラがハンファQセルズジャパンに対して特許権侵害を主張して争われていた裁判は、和解により解決した。ハンファQセルズジャパン製の太陽光パネルを設置したメガソーラー(出所:日経BP)
京セラがハンファQセルズジャパンに対して特許権侵害を主張して争われていた裁判は、和解により解決した。ハンファQセルズジャパン製の太陽光パネルを設置したメガソーラー(出所:日経BP)
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