不法行為責任が認められるリスク

 しかし,本件において隣人はアマチュア無線の利用のためアンテナまで設置していることを踏まえますと,隣人は無線設備などにそれなりの費用をかけていると考えられます。もし住宅会社が太陽光パネルを設置したことで、アマチュア無線が利用できなくなったら,隣人に損害を発生させてしまい,住宅会社に不法行為責任(民法第709条)が認められてしまう可能性があります。

 また,そのようなことになれば,建物完成・引渡し後,施主にも太陽光パネルの所有者として土地の工作物の所有者としての責任(同717条第1項)が認められてしまう可能性もあるため,二次的なトラブルが発生する恐れもあります(図2)。

図2●アマチュア無線のアンテナの例
図2●アマチュア無線のアンテナの例
(本文の内容とは関係ありません)
[画像のクリックで拡大表示]