メカノバイオロジーは「生体における力の役割とその仕組みを明らかにする学問」で、ここ10年で急速に興隆した新しい融合領域である。もともと、力と生物に関連する学問は古くから存在し、聴覚、触覚、内臓感覚や筋感覚などの機械感覚は生理学の花形テーマであり、循環器学、運動生理学、マクロ解剖学、バイオメカニクスでも力は中心概念である。ところが、最も根本的な課題「生体に対する力の作用機序」の解明の遅れのため、各分野間の連携は乏しくまとまりを欠く。メカノバイオロジーは、この関連諸分野を統一された体系へ合理的に位置付ける可能性を持つ。
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