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HOME新産業from ITpro > 5時間の渋滞を1億円で解消、「ピンポイント渋滞対策」の裏側

from ITpro

5時間の渋滞を1億円で解消、「ピンポイント渋滞対策」の裏側

  • 清嶋 直樹=日経コンピュータ
  • 2017/12/05 05:00
  • 1/4ページ
「ITpro」2017月10月25日公開の「5時間の渋滞を1億円で解消、「ピンポイント渋滞対策」の裏側」を転載した記事です(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)。

 「神奈川県の高速道路で、データを駆使することでほとんど工事をせず、お金をかけずに渋滞を解消した事例がある」――。満員電車や渋滞、レストランの混雑といったピークを解消するIT活用策を探し回っていたときに、国土交通省でこんな興味深い話を聞いた。

 乗り物好きでもある筆者には聞き逃せない話だ。筆者は交通分野で多くの取材をしてきが、どちらかと言えば鉄道が専門で、道路は専門外。もっと言えば、鉄道とは桁違いの税金が潤沢に投入される高速道路を“敵視”する気持ちすらある。

 だが「お金をかけずに渋滞解消」という話は気になる。本当にそんなことが可能なのだろうか。“敵地”に乗り込む心持ちで中日本高速道路(NEXCO中日本)を訪ねた。筆者の勤務地の隣のビルなので、電車でも車でもなく、歩いて行ったのだが。

渋滞の新名所「海老名JCT」、8台のカメラで渋滞を見える化

 「確かに、1億円ぐらいの費用で済む『ピンポイント渋滞対策』で渋滞を解消した実例がある」。NEXCO中日本の東京支社保全・サービス事業部交通技術チームでサブリーダーを務める花房秀樹氏はそう教えてくれた。花房氏は渋滞対策を対外的に啓蒙する役割を担う「高速道路ドライブアドバイザー」の肩書を持っている。

NEXCO中日本東京支社保全・サービス事業部交通技術チームの花房秀樹サブリーダー。「高速道路ドライブアドバイザー」の肩書を持つ
(出所:NEXCO中日本)
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 舞台は神奈川県中央部で東名高速と圏央道が交差する「海老名ジャンクション(JCT)」。2010年に住宅や工場と相模川とに囲まれた、狭い用地に設置された。圏央道の開通区間が増えて交通量が増えるにつれて、新たな「渋滞の名所」としての悪名が高まっていった。

神奈川県中央部にある海老名ジャンクション(JCT)。左手の相模川に沿って南北に走る圏央道と、東西に走る東名高速が交差する
(出所:NEXCO中日本)
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 花房氏らは2015年ごろから対策を練ってきたという。同年10月には圏央道のうち、東北道と接続する部分が開通するなど、さらに交通量が増えることが想定されたからだ。

 まず着手したのが東名高速から圏央道八王子方面へと向かう「外回り」の対策。当時、1日当たりの平均渋滞時間が5.1時間、最大渋滞時間が14.1時間にも及ぶ深刻な渋滞が発生していた。

 「渋滞の原因を探らなければ対策の打ちようがない」(花房氏)。NEXCO中日本は基礎的な交通量を計測するために、高速道路に「トラフィックカウンター(トラカン)」と呼ぶセンサーを設置している。ただ、交通量が多いという事実が分かっただけでは対策の糸口にならない。

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