40代以上は年齢を壁に感じる

 回答者の年代別に分析したのが図2だ。年代が上がるほど、転職に対して消極的な傾向が読み取れる。「転職したくない」の割合は20代の5.6%が最も小さく、年代が上がるほど増える。

図2●年代別の転職意向
図2●年代別の転職意向
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 若手は転職に積極的なのに加え、ハードルも感じていない。「転職したいし、容易にできると思っている」人の割合は、20代以下で37.5%、30代で25.1%に上る。この割合は、40代以上になると10%台に低下する。その分、「転職したいが、容易ではないと思っている」が増える。

 40代以上のエンジニアからは、自由意見にも年齢を気にする声が多数寄せられた。「40代でマネジメント経験なく、エンジニアとして現役でいたいが採用してくれるところが少ないのではないかと思っている」(IT:システム・ソフトウエア開発、40代)、「年齢だけで門前払いされる」(IT:セールスエンジニア、50代)など、年齢が上がるにつれハードルの高さを感じていることがうかがえる。

 後悔の念を寄せてくれたエンジニアもいた。「40代でスキルアップや資格取得などをする、または所属企業での上位ポジションにつく必要があったと痛感している。50代に入ってしまうと年齢に相応したマネジメントポジション経験を求められる。500万以上の年収の職を探すと、インセンティブやみなし残業代も含む営業職となる。今まで、社会と収益構造の“仕組み”に無頓着すぎた」(その他、50代)。転職を考えるなら、早い段階からそれを意識して行動すべしということだろう。