機器を使う点検手法などを講習

 メンテナンスに関する標準化では、例えば、顧客の発電事業者やO&M事業者からの問い合わせや依頼を受けた後、「要望の確認」、「現地の太陽光発電システムの調査」、「必要なメンテナンスの提案と見積もり」、「契約」に分類し、標準化できる部分を共通化していく(図3)。

図3●項目や報告書は協会内ですでに標準化
図3●項目や報告書は協会内ですでに標準化
(出所:太陽光発電アフターメンテナンス協会、工オフィス)
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 メンテナンスの項目や報告書などは、すでに協会で共通化している。

 このメンテナンスの報告書は、地域の中小企業がメンテナンスの受け皿の主体となる時代を想定して、受託企業だけでなく、太陽光発電アフターメンテナンス協会にも保管することとしている。万が一、会員のメンテナンス関連企業が倒産した場合でも、協会の他の企業が引き継いで適切なサービスを継続できるようにするためである。

 メンテナンスの手法などについては、太陽光発電協会(JPEA)や日本電機工業会(JEMA)のガイドラインに沿いながら取り組んでいる。

 地元の太陽光発電所において、メンテナンス用機器のデモンストレーションや講習会も積極的に開催している(図4)。

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図4●太陽光発電所におけるメンテナンス用機器のデモの様子
図4●太陽光発電所におけるメンテナンス用機器のデモの様子
下は報告の例(出所:太陽光発電アフターメンテナンス協会、工オフィス)
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 宗貞氏が経営する工オフィスが主導し、エヌ・ピー・シー(NPC)のI-V測定装置やEL/PL検査装置、戸上電機製作所のストリング検査装置、システム・ジェイディーのアレイ検査装置、アイテスの太陽光パネル検査装置など、太陽光発電所のメンテナンスで現在、広く使われている機器の使い方などを対象としている。

 こうした手法を会員企業間で共通化できれば、地域内のさまざまな企業が同様のサービスを一定以上の水準で提供できるようになる。地域のメンテナンス事業者には、中小企業も多く、繁忙期などで人手が不足する場合、共同で請け負うなどの連携も考えられる。