いち早く活動を始めた地域のメンテナンス団体

 協会設立の経緯は、「九州ソーラー&クリーンエネルギーネットワーク(SONEQ)」で、メンテナンス関連の研究会が立ち上がったことだった。SONEQは、九州の太陽光発電関連企業・団体・行政が一体となって、産業の裾野を拡げ、課題の解決や人材育成などを支援することを目指しており、事務局は、九州経済調査協会が担っていた。

 九州は、いち早く太陽光発電所の施工が加速した地域である。稼動後のメンテナンスに必要な技術や機器、情報や人材育成が追いついていないという危機感を持つ企業などが多かったことも、研究会発足の背景にある。

 この研究会で、情報収集や研究、実証を重ねた後、一般社団法人に拡張したのが太陽光発電アフターメンテナンス協会となる。

 こうした地域的なメンテナンス団体は、九州以外では発足していないのではないかという。

 九州には、太陽光パネルのリサイクル、リユースなどの企業や拠点もある。新出光ファシリティーズを中核企業とし、経済産業省による「地域中核企業創出支援事業」の助成を活用し、太陽光パネルの3R(リデュース・リユース・リサイクル)に取り組む動きもある。ここでも、同協会と連動しているという。

 また、メンテナンス関連のデータベースの構築や、その共通化に関して、資源エネルギー庁の「太陽光発電地域サポート体制構築事業」に福岡県が参画し、同協会も関わっている。現在は、保守点検事業者のデータベース化、発電事業者向けのメンテナンス啓発セミナー、メンテナンス技術者向けの技術講座、販売・施工事業者向けの講習会を開催している。

 今後、九州の他の県も「太陽光発電地域サポート体制構築事業」に参画する見通しで、福岡で先行したデータベースなどを共通化して、効率的にメンテナンス関連の体制整備に取り組んでいく模様である。

 このように、地域の企業・団体だけでなく、必要な技術を持つ企業、行政までがさまざまに関連しながら活動している。