乗用型草刈機による損傷を予防

 乗用型草刈機と除草剤を組み合わせた手法には、留意点もある。乗用型草刈機が走行できる地表や幅となっているのか、送電ケーブルを損傷しないか、などである。

 作業の前後に、発電事業者などと一緒に、太陽光パネルの外見の破損状況を確認することも重要となる。カバーガラスが割れているパネルがあった場合、元々、割れていたものなのか、除草時に割れたものなのかを確認するためである。

 地面の凹凸や傾斜が一定以上の場合、乗用型草刈機を使うことが難しい場合がある。地面がぬかるんでいる場合にも、車輪が滑って走行が難しくなることもある。アレイ(太陽光パネルの架台への設置単位)の前後間が狭い場合も、走行できない。

 また、アレイの構成によっては、コストが増す。架台の下は、除草剤を散布し、それ以外は乗用型草刈機で刈る手法のため、除草剤を散布する面積が増えるほど、除草剤の散布量が増え、作業者が歩いて散布する時間が長くなるという2点から、コストが増す。

 乗用型草刈機が走行中に接触しそうな発電設備は、外側を保護材で覆った上、目印を付けるといった対策により、損傷を防ぐ(図5)。発電設備の保護材には、自社のフェンスを使う場合もある。

図5●発電設備を保護
図5●発電設備を保護
右は自社製フェンスを保護材に使っている(出所:原建設建材)
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 原建設建材が施工を担当している発電所の場合には、送電ケーブルを地中に埋設しており、保護はほぼ必要ない。他社の施工案件の場合、金属製のラックや樹脂製のケースを使い、地上や空中に敷設している場合がある。

 こうした場合、小型のU字溝を逆さまに置き、保護材として使うなどの対策を施してから除草するという。