宮崎県の都城駅は、九州旅客鉄道(JR九州)・日豊本線の駅で、かつては新大阪発の寝台特急「彗星」が発着する駅でもあった。現在でも都城市を代表する駅であり、特急「きりしま」や、豪華な内装で人気のクルーズトレイン「ななつ星」が停車する。

 列車が駅に到着してホームに降りると、線路を挟んで夥しい枚数の太陽光パネルが並んでいる。パネルを囲むフェンスには、「都」「城」「太」「陽」「光」「発」「電」「所」との8枚の文字板が目に入る。出力約2MWの「都城太陽光発電所」だ(図1)。

図1●出力約2MWの「都城太陽光発電所」(出所:日経BP)
図1●出力約2MWの「都城太陽光発電所」(出所:日経BP)
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 かつて、同駅の北側には、架線に沿って「都城派出」と呼ばれる車両の整備・点検用の基地があった。だが、10年以上前に廃止され、未利用地になっていた。固定価格買取制度(FIT)の開始を機に、JR九州では、太陽光発電に適した未利用地を調べ上げ、都城駅北側の約2万1000m2の敷地に目をつけた。結局、ほかにはまとまった未利用地はなく、JR九州グループとして唯一のメガソーラー(大規模太陽光発電所)となった。