太陽光発電所を長期間、安定的に運用するためのO&M(運用・保守)のあり方が模索されている。定期点検や発電量の報告だけでなく、トラブルなどを未然に予防したり、早期に発見できれば、売電機会の損失を抑え、事業性を高めることにもつながる。国内のO&Mの状況、今後、O&Mに求められる方向性などについて、CO2O(シーオーツーオー:東京都港区)に聞いた。同社は、中国の大手パネルメーカーのO&M関連業務を長年、請け負ってきた実績がある。

――日本の太陽光発電所におけるO&Mは、どのような状況にあるとみていますか。

 プロジェクトファイナンスを組成して融資を受けたり、投資家が関与している発電所については、適切に発電所を運営していることを保証する一環として、専門の事業者によるO&Mサービスを導入するなど、体制を確立している発電所が多い状況です。

 一方で、自己資金やコーポレートファインナンスで資金を賄っている発電所の場合、発電事業者がO&Mの重要性に対する認識が十分にはなく、O&Mの体制を確立していないことが多い傾向があります。

――件数でみれば、プロジェクトファイナンスによる太陽光発電所の割合は多くありません。O&Mサービスへの関心は低いままですか。

 実はそうでもありません。ここにきてO&Mサービスへの引き合いが多くなり、受注につながる案件が増えてきています。

 背景には、不具合を生じている太陽光発電所が増えてきていることにあります。

 不具合によって、本来、得られるはずの発電量を得られないと、設計・施工業者との間でトラブルになることもあります。そうしたケースで、不具合の評価や診断、原因の調査を依頼されることも珍しくありません。

 また、発電所の売却に際して、性能評価や、デューデリジェンス(資産価値の算定)を請け負うことも増えています。

――不具合が見つかった場合、どのような対応になりますか。

 顧客の要求によりますが、多くの場合、調査の結果などを報告するだけでなく、今後の対応まで助言しています。適切に開発・施工しなかったEPC(設計・調達・施工)サービス事業者との交渉を代行することもあります。