目安は直径50mごとに1台

 東神電気では、カラス営巣防止装置が実現する効果を「忌避効果」と呼ぶ。あくまで、近寄りにくくする効果で、「絶対に近づけない」、「駆除」ではないとしている。

 太陽光発電所の場合、山間部など元々、カラスの生活拠点やその周辺に開発される場合も多い。こうした場合、とくに「絶対に近づけない」対策は難しい。

 電柱であれば、営巣される数を減らせるかどうか、太陽光発電所であれば、石を落して割られるパネルの枚数を減らせるかどうかで評価してほしいとする。

 「パネル上にフンを落とされない」といった効果までは、未知数としている。太陽光発電所の例では、カラスがフラッシュ光を嫌った結果、LEDの上を狙ってフンをしたり、コケや草の株を被せて置くなどの“反撃”を受けたこともあるようだ。

 第3世代品が、丸みを帯びた外観としている1つには、こうしたカラスの行動への対処もあるという。

 一般的な太陽光発電所への設置の目安として、直径50mごとに1台、出力1MWあたり10台を推奨している(図8)。太陽光発電所の土地の形状やパネルの配置、設置角などによって、この目安は変わってくる。

図8●太陽光発電所における設置間隔の目安
図8●太陽光発電所における設置間隔の目安
直径50mごとに1台、出力1MWあたり10台が目安となる。大林組の発電所における結果から推奨(出所:東神電気)
[画像のクリックで拡大表示]

 実際に電柱だけでなく、太陽光発電所への採用も増えている。製品化当初は約300台の販売実績のすべてが電力会社向けだったのに対して、第1・2世代品は合計販売台数の約1800台のうち、電柱向けと太陽光発電向けで半々程度になっているとしている。

 太陽光発電所向けでは、大林組のメガソーラーのほか、他の発電事業者による三重県や山口県、福岡県の発電所にも、納入実績がある。